Gallery Commonでは、11月22日から12月21日まで、角田純(つのだ・じゅん)と、角橋俊(かどはし・しゅん)による二人展『In the Making』を開催いたします。当ギャラリーでの角田純の展覧会は、2024年11月の個展から1年ぶり、角橋俊は当ギャラリーでは初めてとなる展覧会です。
角田純は愛知県出身、多摩美術大学を卒業後、東京でアートディレクターとして活躍。現在は山梨を拠点に絵画やオブジェクトなどを制作しています。本展では、近年取り組んでいる植物からインスピレーションを得たペインティングとドローイング作品の新作を発表いたします。
角橋俊は兵庫県出身、東京でアート系出版社勤務を経て渡英、現地で陶芸を学びます。帰国後は千葉の海辺に拠点を構え、作陶を続けています。本展では、新作の壺やオブジェクト、陶板作品を展示いたします。
本展タイトルの『In the Making』は、イギリスの人類学者ティム・インゴルドの著作に由来*しており、「つくる」という行為を、完成へと向かう過程ではなく、世界との応答として捉えています。
山梨の山の麓(角田)と房総の海(角橋)、それぞれ自然と密接な場所にアトリエを構え、手を動かすふたりの作家の仕事は、かたちを生むだけでなく、自然と呼応しながら世界を更新していく運動そのものです。
展覧会で展示する作品は完成していますが、インゴルドが『メイキング』の中で言うように、完成したものは、制作の終わりではなく、素材の生の一瞬であるということ、つまり、完成は停止ではなく、素材と世界の関係性がひとつの形をとった現在形の瞬間にすぎません。
絵画も陶芸も、その形は一度は定着して見えるけれど、実際には時間・土地・光・見る人との関係の中で、常に変化し続ける存在であると言えるのではないでしょうか。
二人の作家がそれぞれの土地で、素材(物質)と力を合わせて生み出した「いま・ここ」のかたちを、ぜひご覧ください。
参考:
*・・・ティム・インゴルド『メイキング』、左右社、2017年、p.53-59 <つくることと育てること>
オープニングレセプション:11/21(金) 19:00〜21:00
*作家も在廊いたします
ARTISTS INFORMATION
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角田純
Artist
Japanese, b. 19601960年、愛知県生まれ。多摩美術大学卒業後、アートディレクターとして活躍。グラフィックデザイナーとして高い評価を得る。2000年代半ばより画家としての活動を開始。現在は山梨県を拠点に制作。 主なグループ展に、2019年 「四次元を探しに ダリから現代へ」(諸橋近代美術館、福島)、2012年「抽象と形態:どこまでも顕れないもの」(DIC川村記念美術館、千葉)など。主な個展に、2024年「The Secret Life of Plants」(Gallery Common)、2023年「Black Plants」(Gallery Trax、山梨)、2019年「A New Career In A New Town」(PARCEL、東京)、2017年「Hollow Organ」(Curator’s Cube、東京)などがある。作品集に『Cave』(FOIL)、『SOUND AND VISION』(torch press)。
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角橋俊
Artist
1984年、兵庫県生まれ。アートブックの出版社勤務、音楽業界に携わったのち、20代半ばで渡英。陶芸家サンディ・ブラウンのもとで見習いとして働きながら、陶芸の道を歩む。帰国後2015年に千葉県に拠点を移し、現在は同地で漁師と陶芸家の二足のわらじを履く。主な個展に2022年「海の近くで、何かを拾う」(水犀、東京)、2020年「角橋俊展」(Curatorʼs Cube、東京)などがある。
GALLERY INFORMATION
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Gallery Common
Tokyo,Japan / est. 2010
2010年にen one tokyoによって設立され、現在共同設立者の新井暁がディレクターを務めるGallery COMMONは、原宿のストリートカルチャーを背景に国内外のアーティストやトレンドセッターがローカルシーンと交流するための親密なスペースとして誕生しました。奇抜な若者文化で知られ、多様なジャンルの境界が混ざり合うファッションの中心地でもある原宿は、長年にわたり世界のクリエイティブシーンをリードする存在として、世界中の一流のアーティスト、ミュージシャン、ブランドに影響を与えてきました。こうした独特なエネルギーを育むため、原宿の中心部にギャラリーがあまりない頃から、アートを中心とした空間を同地に作り上げることの重要性を感じ、Gallery COMMONはオープンしました。クリエイティブ・エージェンシーという異色の背景を元に、en one tokyoはファッションとアート、ストリートとコマーシャル、サブカルチャーとメインストリームという逆説的でありながらも互いに共生的な二者間のギャップを埋めることを目指してギャラリーを設立しました。
それ以来、当ギャラリーはビジョンを拡大し、様々な国や分野にわたる、著名または将来有望な現代アーティストと仕事をともにする傍ら、国内外のアートフェアやコラボレーションプロジェクトに参加してきました。 Gallery COMMONは、原宿の文化を守り育てるという初心を忘れず、ジャンルと業界、アーティストと鑑賞者、国内と海外といった時代遅れの障壁を打ち破り、私たちをつなぐ共通“common”の糸を見つけることを目指し続けます。- URL
- http://www.gallerycommon.com/
- 住所
- 東京都渋谷区神宮前5丁目39−6B1F
- 開館時間
- 12:00 — 19:00
- 休館日
- Mon・Tue
- 入館料
- 無料
EXHIBITION
ARTISTS
VENUE
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