ジョニー・アブラハムズ 個展「24 Colors for Junichi」

Aug 30, 2024 — Exhibition: Solo
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MAKI Gallery は、ロンドンを拠点に活動するアーティスト、ジョニー・アブラハムズの日本初の個展「24 Colors for Junichi」を天王洲ギャラリースペースにて開催いたします。

アブラハムズによる抽象画は、形と色彩による構図の追求のようでありながら、目の前で作品に対峙すると素材の質感が感じられ、本来触れることでしか感じられない感覚を呼び起こす深みを持ちます。加工の施されていない麻布を使ったキャンバス、層を成す絵の具のテクスチャ、パレットナイフの動きが示す微妙な変化が、わずかながら確かな揺らぎを生み出し、彼の絵画に命を吹き込みます。アブラハムズが絵画において目指すのは完璧さの追求ではなく、作家の意図に偶然性が掛け合わされることで思いがけず生じる予測不能な事態を引き出すことにあります。その過程で作家は自身の行動や感情の痕跡を残し、描かれた幾何学的な形をより身近で、関わり合うことのできる存在へと変化させることに成功しています。

アブラハムズの活動は、科学、特に元素の創造過程に対する深い関心に根ざしています。物質の起源、物質世界の構成や認識についての探求が彼の作品に大きな影響を与えています。物質が誕生する際に光が生まれる事実に触れ、作家は「物質の創造がその物質を知覚するための光を生み出すという現象は、私にとって非常に詩的で大きなインスピレーションを与えてくれるものです。私は常に自分が描く形同士の関係を、物質創造の瞬間のメタファーとして捉えてきました。」と述べています。

本展では、アブラハムズの亡き友人ジュンイチに捧げる新シリーズ「24 Colors for Junichi」を発表します。シリーズのタイトルは、イミ・クネーベルがドイツ人画家ブリンキー・パレルモの早逝後に制作した「24 Colors - for Blinky」へのオマージュです。作家は日本の病院を訪れ、友人のそばで過ごした際に本シリーズのスケッチを描きました。アリストテレスの時間の概念—私たちの背後にある広大な過去と、現在を隔てた先にある無限の未来—に触発されたアブラハムズは、このシリーズを通して過去と未来を隔てる現在という瞬間の長さを問い、時間そのものを表現することを試みています。各作品はわずかな空白によって区切られた色の異なる 2 枚のパネルで構成されています。作家にとってこの空白は、時間の境界線として今この瞬間を象徴しています。色彩の重なりもまた重要な意味を持ち、下部に隠れた色の層は一瞬一瞬に秘められた可能性を示唆しています。

新シリーズに加え、本展では「Sympatheia」や「Stack Paintings」のシリーズからも作品を展示します。「Sympatheia」は、相互のつながりや依存、つまり何ものも孤立して存在することはないという哲学的な概念からその名がつけられました。原子が融合して新しい元素を形成し、エネルギーを光として放出する太陽の核融合プロセスからインスピレーションを得た作品です。「Stack Paintings」では複数の正方形のキャンバスを積み上げ、縦長に配置しています。
各キャンバスには補色関係にない色が多く組み合わされ、その微妙な相互作用が独自のストーリーを醸し出します。
そのキャンバスの重なりにより作品全体に力強い生命力が宿り、躍動的で生き生きとした姿が現れます。アブラハムズは様々なシリーズを通して常に安定と緊張の繊細なバランスを追求し、ダイナミックなコントラストによって観るものとの関わりを生み出すことを目指しています。

アブラハムズにとって本展を形作る多くのアイデアがこの地で生まれたという点で、日本は特別な意味を持つ場所です。また彼は日本が持つ細部へのこだわりを賞賛し、それが独特の品格を生み出していると考えています。この宇宙に内在する静かな揺らぎを捉えたジョニー・アブラハムズの瞑想的な実践を、この機会にどうぞご高覧ください。

文・竹田春菜

ジョニー・アブラハムズ

Born in 1979 in Tacoma, WA and currently based in London, Johnny Abrahams constructs his minimalist compositions with bold swathes of color, meticulously executed to produce a striking materiality. The fluid rhythm of his meditative paintings is intermittently disturbed by the occasional void or crevice; the delicate liminal gaps separating distinct geometric forms,whether they be painted shapes or stretched canvases stacked on top of one another, become
a point of simultaneous contention and harmony. Abrahams considers these negative spaces—or “secondary images” as he calls them—a key aspect of his continuous pursuit of “an uneasy
truce between stability and tension.” The marked tactility of his work, enhanced through the application of dense oil-and-wax paint on naturally porous burlap, humanizes the clinical aspects of hard-edge abstraction by intertwining cerebral concepts with sensory experience.
The artist’s recent solo exhibitions include Sympatheia, Vigo Gallery (London, 2024); Therapy Apple, Vigo Gallery (London, 2023); Will it get some wind for the sails, Sunday-S Gallery(Copenhagen, 2023); Dog’s Dinner, Jack Hanley Gallery (New York, 2023); and Primaries, Romer Young Gallery (San Francisco, 2022). He has shown his work extensively in both solo and group presentations across the globe.

MAKI Gallaery

〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10
Tel:03-6810-4850
Fax:03-6810-4851
E-mail:info@makigallery.com
営業時間:11:30–19:00
定休日:日曜・月曜

*本企画に関するお問い合わせは上記までお願い致します。

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ジョニー・アブラハムズ 個展「24 Colors for Junichi」

Aug 31 — Oct 12, 2024

Presented by MAKI Gallery Past

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