JUN KANEKO EXHIBITION Ⅳ

Jan 10 — Feb 1, 2026

Presented by DIGINNER GALLERY Past
SHARE

金子は一貫してモノクロームの世界に徹しています。

色彩を捨て、表現の幅をあえて狭めることで、ひとつの行為を深く掘り下げていく。その過程で生まれたのが、削り・擦り・拭い・再び描くという、絵画でありながら“工作”にも似た独自の手法。引き算によって浮かび上がる線は、交差するたびに上下の奥行きを持ち、まるで布を縫い合わせるときのような手触りを残します。

細密に描かれる糸や布のモチーフには、金子が長く魅せられてきた「儚さ」と「強さ」が同居しています。古い布や綻びを繕ったものは、頑丈でありながら、一本の糸が切れれば崩れてしまう危うさを抱えている。その脆さと確かさ、悲しさと美しさが同時に存在する状態こそ、作家にとって最も“腑に落ちる”世界であり、惹かれ続ける理由でもあります。

2017年から続く「SHESAW」は、そうした日常の断片を縫い合わせるように描かれる、もうひとつの小さな世界です。
服や家、風景、食べ物、生き物 ― 誰かにとって特別であるかもしれない日常の品々を、細やかな削りの手つきで記録するように描く。集められた作品群は、見る人それぞれの生活に寄り添い、やがて壁面をひとつのパッチワークのように彩っていきます。

制作は常に複数のキャンバスを行き来するように進み、乾かしながら別の作品に触れ、また戻る。その積み重ねによって生まれる数多くの小さな絵は、「誰でもふと手に取れるようなサイズと価格で、自分の表現を届けたい」という想いから始まりました。版画のようにも見える質感を持つモノクロームの世界は、しかしどれも一点ずつ、削り込まれた手の痕跡を確かに刻んでいます。

今回発表される新作は、パペットやマリオネットのイメージを軸に、人・動物・鬼(怪物)といった“操られながらも自立した存在たち”を描き出す試みになります。また本展では、過去最大となるサイズの作品も展示されます。

極小のキャンバスからスタートした表現が、時間とともにスケールを拡張しながら、より深い陰影と物語性を獲得した姿を見せることになるでしょう。

-
◆Profile/プロフィール

JUNKANEKO / 金子潤

1976年生まれ 福島市在住

全てが縫ったり編んだりしたものだけで存在している世界 SHESAW という物語を描いています。自身のアートワーク制作の他、これまでにCDのアルバムカバーや雑貨の制作、数々のファッションブランドとコラボレーションを手掛けてきました。

ARTISTS

  • 金子潤

VENUE

ORGANIZERS

SUPPORT