この度 hpgrp Gallery Tokyo では白田一馬による新作展「ここからあそこ、過去の未来」を開催します。
白田は2019年ごろまで、工事中や立入禁止の高層ビルの屋上に登り、そこからの景色を写真や動画で残すルーフトッピングと呼ばれる活動をしていました。誰かの欲望の象徴とも言える高層ビルという建造物を、ほんの数分でも自分が支配するような感覚は痛快だったと語る白田ですが、それは人間の感覚を超えて都市が強引に変容していくことに対する彼なりの抗議行動でもありました。本展で紹介される新作シリーズも、その時に撮影した風景や実際に目にしたイメージから着想を得たものです。
白田は過去10年以上にわたり絵画制作を続けてきました。その手法は独特で、オリジナルの支持体は一般的なキャンバスのような長方形ではなく、角の丸い台形が多く、その上に様々な素材や接着剤などを幾層にも重ねて、即興的に制作されます。白田自身が「その場の思いつき」と表現するそのプロセスは、街が人工的に整理されていくことに対する抵抗や、誰かの欲望の象徴を壊したいというある種の「破壊欲求」の表れかもしれません。
2020年にパンデミックが発生し世界の状況が激変したことがきっかけで、白田はループトッピングから遠ざかります。移動や様々な活動が制限されたことも大きく影響していますが、何かを批判したり、自らの価値基準から善悪を判断するということに居心地の悪さを感じるようになったと言います。その居心地の悪さや矛盾の原因を模索する中でうまれた本展の作品は、今日の社会の混沌を映し出しています。
EXHIBITED ARTWORKS
EXHIBITION
ここからあそこ、過去の未来
Mar 22 — Apr 22, 2023
Presented by
Otherwise Gallery
ARTISTS
VENUE
- 住所
- 東京都港区南青山5丁目7−17 小原流会館 B1F
- Tel
- 03-3797-1507
- 開館時間
- 12:00 — 19:00
- 休館日
- Sun・Mon・Tue
- 入館料
- 無料