増田佳江 個展「Empty House」

Jul 13 — Aug 4, 2024

Presented by ガトーフェスタハラダ本社ギャラリー 開催終了
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この度、ガトーフェスタ ハラダ本社ギャラリーでは、画家・増田佳江の個展「Empty House」を開催いたします。
自然の光景と人間の体験が絡み合い、複雑な視覚的物語へと昇華させる増田の絵画は、色彩、質感、形態のダイナミックな相互作用により、穏やかさと混沌の両方を捉えています。
本展では、増田の表現豊かな筆遣いと情感を喚起するイメージを通して、自然、記憶、時間の流れを深く探求していきます。
最新シリーズ「Empty House」は、風景や建造物に込められた物語についての彼女の思索からインスピレーションを得ています。
アーティストスタジオ周辺の空き家に目を向ける増田は、窓から山々を眺めながら、その稜線、量感、光の相互作用について考えを巡らせました。本シリーズは、植物や構造物の静かな存在を捉え、かつてそこにあった生活とそれが過去の風景に移り変わる必然性を示唆し、人の記憶の儚さを象徴しているかのようです。
テクスチャーを使い分ける思索的な操作、リズミカルな構成と流動的な筆遣いにより、抽象と具象のイメージを巧みに融合させた増田の絵画世界。
ぜひこの機会に、増田佳江の新たな作品群を直接ご覧ください。

Empty House
窓から見える山の風景を見ながら、『見るということ』について思いを巡らす。まず稜線、量感、光、などが目に入る。
次に山に生えている木、一本一本に視線が移る。そしてさらに木々の中を分け入るように見入っていると、その中で繰り返される生命の営みを想像し始めて、しまいには頭の中で絵を描き出している。そして、その山から視線を下げると山麓には鹿ケ谷通が走っている。毎日自転車で鹿ケ谷通りを走っていると、道沿いにいくつかの空き家が点在していてふと気に留めるようになった。
空き家は目を留めなければ風景の一部でしかないが、そこでかつて、知らない誰かの生活が営まれていた場所として見ると、いつかは過去の風景となるであろう今について思う。
今回の個展では、いくつかの現存する空き家を描いている。空き家は生活の気配を封じ込めてひっそりと幽霊のようにたたずんでいる。時には町に悪い影響をもたらしたり、次なる役目を待っていたり、突如、取り壊されてこの世からなくなってしまう。
それらはまるで人の記憶のように不確かな存在だ。描いた作品を並べてみると、他者の記憶に上塗りしたような絵が立ち並ぶ。
鹿ヶ谷通から離れて遠く、高崎において誰かの景色と繋がればと期待する。                  
増田 佳江

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