企画展「目の前の情報に恋をして -Crazy in love with instant information-」

Jul 24, 2024 — Exhibition: Group
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この度、2024年7月13日(土)からオープンする新スペースPoP(Point of Parallel)にて、企画展「目の前の情報に恋をして -Crazy in love with instant information-」を開催します。

POPの柿落としとなる本展では、 Marco Galleryディレクター菰田寿允、 TEZUKAYAMA GALLERYディレクター岡田慎平に加え、アートコレクターである小田和幸の3名による共同ディレクションによって企画します。

ディレクター3名がディスカッションを重ねる中で生まれた、ウソとホント、噂というキーワードから4名のアーティストを推薦します。ロマンチックな情報に向き合った時、 私たちの目の前に横たわる情報とは一体どんな感触なのかを本展を通して考察します。
是非、ご高覧賜りますようお願い申し上げます。

PoP (Point of Parallel) 概要

PoP (Point of Parallel)は、 2024年 7月に大阪から同時代のARTを発信する場としてオープンいたします。

Point of Parallelとは、直訳するとʻ平行の点 ʼを意味し、従来平行線のような関係であるものが一つの点 (PoPという場所)をきっかけにして交わることで 、何かが現象的に立ち現れる 、ʻ PoP ʼするかもしれない実験所として機能することを期待しています。

具体的には、異なる文化、表現、および視点が交差し、共鳴し合う場の創造をします。ARTを通じて異なる背景や経験を持つ人々を繋ぐことで、横断的な対話の機会を生み出すことをミッションとします。

また、展覧会という形式を介して、どのような化学反応が生まれるのかを観測すると同時に、豊かな価値基準と人材と人材の創出を目指します。

高岡颯生 | Satsuki Takaoka

2024年、大阪芸術大学を卒業。
大阪芸術大学卒業制作展学科賞受賞。
言葉の裏で人が感覚的に受け取る情報を視覚化し設置することで空間を謀るような作品を制作する。

茂木淳史 | Atsushi Mogi

1997年東京都出身。2022年東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業。
2023年~現在、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修士2年に在籍中。

都市で生まれる空間認知、インターネット登場以降の物の捉え方などの興味から都市空間における自然現象や、空間性、時間性をモチーフに彫刻の形式を用い、人体、立体作品、平面作品、パフォーマンスなどを制作。

主な出展歴に、「Saturday Night Once More」 Wall_alternative(京/2024)、「Spiral Xmas market 2023 part3」
Spiral(東京/2023)、「ブレイク前夜展 in 金沢」 ASTER(石川[金市]/2023)、「シルエット」 Marco Gallery(大阪/2023)、「TAIPEI DANGDAI 2023 (Mizuma art galleryより出展)」 Taipei Nangang Exhibition Center(台湾/2023)、「AaP2023 Towards The Future PART2」 roid works gallery(東京/2023)、「遺伝的美意識ーInheritedEstheticsー」 日本橋三越コンテンポラリーギャラリー(東京/2023)、「バナナ画廊(仮)アーカイブ展示」 ショーケース上野(東京/2022)、「SHIBUYASTYLE vol.16」 西武渋谷店(東京/2022)、「シン・Chim・ブラート」 ゲリラ型企画展示 六本木森美術館(東京/2022)など。

山田周平 | Shuhei Yamada

ニヒリズムへの関心を背景に現代社会に対する考察を通じて作品を制作。
扱うメディアは写真、ビデオ、インスタレーション、平面と多岐にわたるが、いずれの作品も対象を俯瞰するような視点が特徴として挙げられる。作品はアイロニカルであったり、時にナンセンスな表情を見せたりしながら、その独特の距離感で捉えられた事象は、鑑賞者の理解に微妙な「ずれ」を引き起こし、問いや疑いを抱かせる。

主な個展にDer-Horng Art Gallery(台南/2024)、ARTRO(京都/2024) 、SOKYO ATSUMI(東京/2023)、Daiwa Anglo-Japanese Foundation(ロンドン/2019)、AISHONANZUKA(香港/2017, 16, 14)、The ArmoryShow(ニューヨーク/2013)、CAPSULE(東京/2012)など。

主なグループ展に「KUROOBIANACONDA 05 SUKIYAKIAISHONANZUKA(香港/2023)、「MIKADO2 My baby collection」TEZUKAYAMA GARELLY(大阪/2022)「Positionalities」京都市立芸術大学ギャラリー@KUCA(京都/2022)、「Next World―夢みるチカラ タグチ・アートコレクション × いわき市立美術館」いわき市立美術館(いわき市/2021)、「Unclearnuclear」URANO (東京/2016) への参加がある。
2003年写真新世紀優秀賞受賞。 2017年ISCPレジデンスプログラム ( ニューヨーク ) に参加。
主なコレクションにタグチコレクション、G Foundation。

山本将吾 | Shogo Yamamoto

2000年長野県生まれ。
2023年名古屋芸術大学芸術学部芸術学科美術領域洋画コースを卒業。
2023年愛知県立芸術大学美術研究科美術専攻油画・版画領域に入学。

物体または事象が持っている性質・特性・文脈に着目し、そこに作家自身が特異なプロセスを経させることで、本来よりも拡大されたその「物」をつくりあげ、提示する。

主な個展に「書庫と境界」Re-TAiL(愛知/2024)、「[ ]」HEIGEN(愛知/2022)など。

主なグループ展に「ARTISTS' FAIR KYOTO 2024」京都新聞ビル(京都/2024)、「愛知県立芸術大学博士前期課
程油画・版画領域一年研究発表展」愛知県立芸術大学(愛知/2023)、「名古屋芸術大学卒業制作展」名古屋芸術
大学(愛知/2023)、「 shift 山本将吾/林玲翔」市民ギャラリー矢田(愛知/2022)、「DELTA」KAYOKOYUKI/ 駒込倉庫 Komagome SOKO(東京/2021)など。

作品 | Artworks

ステートメント | Statement

【ディレクターステートメント】

ー菰田寿允

流れゆく真実のありか。
目の前に 大海のように 広がる 合理 とロマン 。
何を信じればいいのかわからないような時代の中で 。
私たち3人にとって真実とは、いったい何なのか。
時に、嘘であり、夢であり、希望である。
たとえ嘘でも、少しのロマンのスパイスが加わって、多くの人の共感を得た噂になった時、その噂はみんなで叶えたい夢になる。そして、それが現実に叶った時、それは事実になる。
情報とロマン。
岡田は、情報の捏造(でっちあげ)を通して、
小田は、情報の唯一(特殊)化、情報の再構成を通して、情報の浪漫を考えた。
私は、原始的な情報とはなんなのかについて思いを巡らせた。
情報の嘘ほんとという世間話から始まったこの企画。
さて、情報とは。
切り口も奥行きも上げればキリがない。
ただ私の 1日の始まりは、 スクリーンの画面に映し出された "時間 "を確認することから始まる。
私たちはʻ時間ʼを信じて疑わない。

―岡田慎平

ソーシャルメディアという新たなインフラが普及した事で、情報へのアクセスは容易にはなったが、情報の信頼性や適切な利用方法に関する課題も浮き彫りになっている。フェイクニュースやディープフェイクの拡散、データプライバシーの侵害など、様々な問題が私達の情報環境に影響を与えるようになったと言える。現代社会では、情報の流れが速く、多様化する一方、その真偽を見極めることはますます困難になっている。
情報処理能力や倫理観がテクノロジーの変容と相互作用しながら変化していく中、私達は何をもって真実と虚偽を嗅ぎ分けているのでしょうか。
今展では、客観的な情報の記録性という点に着目しつつも、浪漫的な要素を含む嘘が、時に私たちの認識や感情に影響を与え、真実との境界を曖昧にしてしまう事について考察したいと思う。時に、私達は美しい物語や理想化された情景に魅了され、その嘘を真実だと受け入れる事がある。芸術や文学の世界では、フィクションがさも真実かのように受容されるように。時に嘘が私たちの認識を塗り替え、新たな真実を生み出すのでは無いだろうか。

―小田和幸

望んで自ら取得する情報
意志に関係なく知らされる情報
スマートフォンから溢れる一方的で不確実かもしれない情報。直接、発信者の声でに耳に入る情報。
そして得た情報の持つ2面性。ホントかウソか。事実かフェイクか。受け取り側のポジションで、どちらにもなりうる情報も。
その中から日々私たちは無意識に情報を選別し、その後の人生に取り込んでいく...

今思えばこの企画のスタートも「小田さん、飯行きましょうよ」だったような。騙されたわけではないけど、新たな挑戦へうまく導いて (騙して?!
?!)くれたのか。女子には騙すより騙されたい私ですが、コモちゃんならそれもええか ..と思える関係性よ。

信じるか信じないかはあなた次第..なんてよく聞く言葉ですが、だいたい私はスルーする。

ではなぜスルーしたのか。あるいは信じた、従ったのか。今回の展示にあたってのミーティングの中で、すごくシンプルな言葉が刺さった。結局は
自身のこれまでの経験や関係性。そしてシンプルにその情報が好きか嫌いか。
今回の作家さんはコンセプトに沿って、Instagram という至極主観的な私の記録を見返すことで再び向き合った作家さん。
私が実際にこの目で見て感じて考えて導いた事実。
これからも続く素晴らしき人生において、身の周りにあふれる「情報」について考える一助となれば幸いです。
そして今一度作家の情報もアップデートし、どこに目をむけ、何を表現しようとしているのかを改めて知る機会になれば幸いです。
この展示で鑑賞者が自身の身をもって体感したことは紛れもない事実。とても精度の高い情報。ここには正解も間違いもウソもホントもない。
早くもこのPOPの柿落とし展示が日本全国、いやアジア、いやいや世界中ですでに話題になっているようで。
知らんけど。

ディレクタープロフィール

菰田寿允 | Toshimitsu Komoda

大阪府出身。同志社大学大学院法学研究科修士課程修了。クロスオーバーというコンセプトの下、作家と共にMarco Galleryをはじめ、展覧会の企画や国内外のアートフェアへの参加などを行なっている。まるで生きている時代や社会に呼応するようにしてアーティストたちが表現するものが文化や 国、時間を超えて、どこかの誰かによって読み解かれ、その人にとってアーティストが生み出した作品群が、アーティストの生きた時代や社会を紐解くための知覚的な参考書となることを期待している。

岡田慎平 | Shinpei Okada

大阪府出身。2014年から現在までTEZUKAYAMA GALLERYに勤務。ギャラリーでの展覧会企画、プレス対応、出版物の編集業務のほか、国内外のアートフェアにて所属アーティストの紹介を行う。個人でも展覧会、アートフェアの企画運営を複数手掛ける。2020年から共同代表として大阪にてアートフェア「DELTA」を立ち上げ、現在まで活動。同年より、ART OSAKAの運営にも関わる。大阪を中心とした美術業界の活性化に従事している。

小田和幸 | Kazuyuki Oda

2017年に人生初、ペイント作品を購入。しばらくは大人しくしていたものが、ある作家さんとの出会いで再び燃えあがる。もともと幼少期より収集癖があり、その最終形態として作品を作家さんよりお預かりする事に目覚める。私は私なりに作家さんと作品を大切にしていきます。

高橋誠 | Makoto Takahashi ※ゲストキュレーター

高橋 誠は、現代アートシーンにおいてその先鋭的な視点と豊富な経験で知られる日本のキュレーターです。早稲田大学で美術史の学士号を取得し、その後ニューヨーク大学でアートマネジメントの修士号を取得。彼は多様な文化的背景と国際的な視野を持ち、世界中のアートコミュニティに影響を与えてきました。
現代アートにおけるテクノロジーの応用と、グローバルなアートシーンの融合に強い関心を持っています。彼のキュレーションは、観客に新しい視点と深い洞察を提供し、アートの枠を超えた体験を提供することを目指しています。

[コメント]
「アートは単なる視覚的な表現を超え、人々の心に響くメッセージを届ける力があります。私は、アーティストのビジョンを共有し、観客と繋げることで、新たな対話と理解を生み出すことを目指しています。」

展覧会情報 | Exhibition Information

目の前の情報に恋をして
- Crazy in love with instant information -

[会期]
7/13 Sat - 8/11 Sun
Open | Wed-Sun 13:00-18:00 Closed | Monday, Tuesday

[Artists]
高岡颯生 | Satsuki Takaoka
茂木淳史 | Atsushi Mogi
山田周平 | Shuhei Yamada
山本将吾 | Shogo Yamamoto

[Access]
POP (Point of Parallel)
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-12-25 竹本ビル4F
*1階にMarco Galleryが入っているビルの4階
MAP

[Contact]
TEL: 06-4708-7915

EXHIBITION

企画展「目の前の情報に恋をして -Crazy in love with instant information-」

Jul 13 — Aug 11, 2024

Presented by PoP (Point of Parallel) Past

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