この度TIDE によるニューヨークでの初個展「HAPPYSADEMPTYFULL」をRoss + Kramer Galleryにて開催いたします。本展はTIDEの米国における初の個展となります。

TIDEは、家庭的な環境で描かれるモノクロームの猫のキャラクターで知られてます。2019年から制作を続ける「CAT」シリーズに登場する猫をモチーフとしたキャラクターは、さまざまなグレースケールの世界に描かれ、しばしば美術史に言及します。本展で発表される新作では、CATが、毛布や布団で覆われたベッドでくつろぐ姿が多く描かれています。

展覧会のタイトルは、同じタイトルのペインティング「HAPPYSADEMPTYFULL」に由来し、人が一日のうちに経験する感情のサイクルを意味しています。家猫は、パンデミックによって隔離された人間と同じように、狭い範囲での人生を経験しています。このモチーフは、ここ数年間の状況と特に関係が深いように感じとれます。

エアブラシやスプレー塗料を何層にも重ね、質感や自然の要素を表現するために様々な筆致を駆使するTIDEの作品は、繊細な環境に奥行きのある錯覚を表現します。調和のとれた構図の色価と豊かさを見事に示し、モノクロームの色彩とシャープで優しいシルエットは、ノスタルジアを感じさせます。