グループ展 「Not Quite」

May 29, 2024 — Exhibition: Solo
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この度 PARCEL ではグループ展「Not Quite」を開催いたします。

私たちが⽇々の⽣活の中で何気なく触れている、椅⼦、焼物などのプロダクトや⼯芸と呼ばれるもの、アートなどが本来の「⽬的」から逸脱したとき、カテゴライズ⾃体が無⼒化し、より純粋にそのフォルム、マテリアルを享受することができるのではないでしょうか?

今回のグループ展に参加する 4 ⼈のアーティスト、デザイナー、ショップオーナーは家具や物がもつ従来の⽤途からそれらを切り離すことで、デザインすること、形を⽣み出すことと形そのものについて考えることを促します。

イ・カンホと橋本知成は共通して⼿作業を通して作品を⽣み出しています。ソウル拠点のイは彫⾦出⾝でありながら、現在は⼯業⽤のワイヤーやロープを鍵編みしたベンチや照明、伝統的な七宝焼きをベースにした作品を制作しております。 ソウル郊外で暮らしていた祖⽗から⾝の回りの物を⾃分で作ることを叩き込まれたイは作品を通して、世に溢れている素材に対しての⼯夫とそれを駆使した新たな造形について気づかせる作品を多く残しています。現在、エルメス銀座店のウ ィンドウディスプレイを担当しているアーティストでもあります。

橋本は信楽を拠点に活動しており⼟を素材に、焼物と時にはモルタルを組み合わせた彫刻作品で知られ、焼物が持つフラジャイルなイメージとモルタルが持つマスキュリンな印象を組み合わせながら、素材間の緊張感を通して我々に、フォルム、重量、重⼒について考えさせる作品を制作しております。2019 年の LOEWE CRAFT PRIZE ファイナリストでもある彼の作品の肌は鉱物を連想させるような不思議な光沢で覆われ、対峙する⾓度によって⼤きくその表情を変えます。

デザイナーである太⽥琢⼈は⽇常の観察を通しての作品を発表している作家です。ただ、⼀貫してそこにはアウトプットの造形に向かう姿勢とクリティックとしての視点もあり、⽣活を通しての取捨選択や物事の認知、社会システムなどと作品テーマは広い。既存の枠組みにとらわれることなく、インテリアプロダクトからインスタレーションまでと横断をしながら発表を続けています。

⽮⼝周太郎は東京都内で YOU ARE WELCOME というインテリアショップを営んでおります。巨匠のモダンデザイン家具から作者不明の何かまで、その特異な審美眼から選び抜かれた品々は不思議な調和を産む。フォルム、⾊彩という点に おいてユニークなプロダクトたちは⽮⼝のフィルターを通し、あらたなコンテクストを帯びた状態で再度世に出されます。

タイトル「Not Quite」 (〜でなくもない) にもあるように、いつも我々が⾒慣れている視点からはみ出ている作品を中⼼に作家を選んでいます。これら居⼼地の良いカテゴリーを⾶び出してしまっている「〜でなくもない」作品や審美眼を通して、デザインとアートのいびつかつ奇妙な相関関係を⾒ていただくとともに、形というものを純粋に楽しんでいただけたらと思います。

イ・カンホ | Kwangho Lee

弘益大学校にて金属工芸とデザインを学んだ後、韓国のソウルを拠点に活動。

身の回りにある素材から、さまざまな日用品をつくっていた農業家の祖父の影響を受け、幼少期から自らの手で身近な素材をもとに新たに作り出すことに楽しみを見出してきた。その体験をもとに、日常のものに新たな意味と機能を与える手法で日々制作を続けている。最近は、素材が別の素材と結びつく瞬間を発見することをテーマに次々と新作を発表している。

Design Miami/Basel で審査員特別賞(2009 年)、韓国政府文化部の Artist of the Year(2011 年)、Yaol/韓国文化遺産協会の Young Craftsman of the Year(2013 年)、Designer of the Year(2017年)など受賞多数。

https://www.instagram.com/_kwangho_lee/

橋本 知成 | Tomonari Hashimoto

1990 年、和歌山県生まれ。2012 年に、京都教育大学教育学部美術領域専攻を卒業。2014 年、金沢美術工芸大学大学院工芸専攻陶磁コース修了。2017 年に、金沢美術工芸大学大学院博士後期課程工芸研究領域陶磁分野を修了している。

Kyoto Art for Tomorrow−京都府新鋭選抜展 2019 で産経新聞社賞(2019 年)、神戶ビエンナーレ 2015 現代陶芸コンペティションで準大賞(2015 年)など受賞多数。Victoria and Albert Museum、LOEWE Foundation、Park Hyatt Kyoto、HOTEL THE MITSUI KYOTO などにコレクションされている。

https://www.instagram.com/hashimoto_tomonari/

太田 琢人 | Takuto Ohta

1993 年、フランス生まれ。2017 年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。2022 年東京藝術大学美術研究科デザイン専攻修士課程卒業。物と人間のコミュニケーションについて興味があり、日常の観察の中で新たな視座の発見を作品へ変換する。特定の分野に固執せず、プロセスや考え方の流動性と多元的思考を大切にしている。

https://www.instagram.com/ohtatakuto/

矢口 周太郎 | Shutaro Yaguchi (YOU ARE WELCOME)

「YOU ARE WELCOME」オーナー、プロップスタイリスト、プロダクトデザイナー。

2018 年にショップ「YOU ARE WELCOME」をスタートさせる。80年代以降のポストモダンデザインを筆頭に、前衛的で挑発的な造形美のものを中心に、様々な年代やジャンルのアイテムをセレクト。
矢口周太郎によるオリジナルの什器も展開している。雑誌や CD ジャケット、広告やミュージックビデオの美術/プロップスタイリングも手がけ、アートやプロダクトのデザインも行う。ARTS&SCIENCE KYOTO(京都)で POP UP なども開催している。

https://www.instagram.com/youarewelcome.tokyo/

EXHIBITED ARTWORKS

EXHIBITION

グループ展 「Not Quite」

May 18 — Jun 30, 2024

Presented by PARCEL Past

ARTISTS

VENUE

NOTES

オープニング・レセプション:5 月 17 日(金) 18:00-21:00

ORGANIZERS