Otherwise Galleryより、2015年以来9年ぶりとなる竹内義郎の個展「appearance」開催のご案内を申し上げます。
絵画を鑑賞する際、多くの人は作品の出自を探り、画面から何かしらの答えを求めようとします。しかし、竹内の作品の前では、限られた色数とシンプルな構図により、絶対的な像として対峙することになります。宗教や文様の様式美を感じさせる一方で、自然が作り出す美しさも思わせますが、そういった印象から答えを導くことはできません。なぜなら、彼の作品は何かを伝えるための媒体ではなく、見い出すための装置だからです。
竹内の描くイメージは、そのイメージ以上の何ものでもなく、寡黙な印象を与えます。見る者に対して物質としての存在を見つめることを要求し、思考の最終着地点ではなく、作品を通じて「至るべき地点」への出発点や問いかけとして機能します。この姿勢こそ、饒舌で刹那的なイメージが溢れる現代において、絵画が示せる可能性を秘めているのかもしれません。
絵画の本質を示しているとも言える竹内の新作展、この機会にぜひご高覧ください。
Artist Statement
あなたが視ているところのもの、私が描いたものは絵画という形式のうちに今此処に確かに在るのだけれど、私はこれらの作品のかつての不在を知っている。
眼の前にある作品の不在を知っているのは作り手だけである。
作られることも、視られるはずもなかったもの。それらは不在の可能性のうちに像としての身分を証しようとしている。今視ているという事実と視られるはずもなかったという仮定の狭間に存在するもの。おそらくその帰属や出自を問いかけているのは作り手ではなく眼前の像そのものかもしれない。
不可視であるからこその像への希求。
現出への待機。
視線を誘発する物質としての実体。
像の到来はいつも唐突なものだから
その顕れはいつも当惑を伴って訪れる。
appearance / 現出・見かけ
存在を願うことは不在を想うことに等しい。
顕れようとするものの不在を引き寄せその前に佇む時、
私たちの「視る」は「観る」に変わることができるのだろうか。
-竹内 義郎
EXHIBITED ARTWORKS
EXHIBITION
ARTISTS
VENUE
- 住所
- 東京都港区南青山5丁目7−17 小原流会館 B1F
- Tel
- 03-3797-1507
- 開館時間
- 12:00 — 19:00
- 休館日
- Sun・Mon・Tue
- 入館料
- 無料
NOTES
Opening reception
2024.7.12Fri 18:00 - 20:00