佐藤誠高の個展「Wink」を開催いたします。
本展覧会は二部構成であり、第一部を2025年4月5日、第二部を6月21日よりご覧いただきます。
第一部では、初発表となるコラージュ作品をオスカー・ニーマイヤー、ジャン・ロワイエ、ジャン・プリューヴェなどの家具と共に展示し、
第二部では大型作品を中心としたペインティングを展示いたします。
なお、家具につきましては、object d’art様、es quart様にご協力をいただいております。
展覧会に寄せて(佐藤誠高)
見ようとしなかったものを見ることで、確かであったはずのものが容易に不確かなものとなります。
見えている世界は自分というフィルターを通しての姿にすぎなく、自分が見ようとしているものだけでつくられた実体とはかけ離れた存在だと気づかされます。
広く深く見ようとすればするほど、現実はあやふやで不確かなものであると知るかもしれません。
佐藤 誠高
展覧会に寄せて(SCÈNE 山本 菜々子)
佐藤は、「リアル」ということをテーマとし、極めて緻密に描かれた鉛筆画の上から絵の具を重ね、人物の瞳や花の花弁などを抽象的な筆致で塗りつぶすというような作品を発表し続けていますが、佐藤の言葉を借りれば、これらにはそれぞれ、意識と無意識、あるいは、意識を集めていくことと無意識を受け入れていくこと、という役割が与えられています。
私から見れば、佐藤の作品はいつも発表の何ヶ月も前に完成しているように思えるのですが、佐藤に言わせれば、「まだまだ全然何も描けていない」のだそうで、それから何ヶ月もかけて、すでに私には完成しているように見える鉛筆画の部分に書き込みを加え、肌の肌理を整え、陰影を描き、朝も夜もなく一人でずっとアトリエに篭りきり、得体の知れない熱量をもって作品を作り上げていきます。
できあがった作品を見れば確かに数ヶ月前のそれとは違い、時に絵の具の色やマチエール、背景に手を加えられていることに気づきますが、鉛筆画の部分については目を凝らしてみても以前と何が違うのかはほとんど判然とせず、ただ圧倒的なリアルさという佇まいを纏っている点のみが数ヶ月という月日を感じさせます。
狂気じみた集中力で作り上げる鉛筆画の部分と、それを惜しげもなく大胆に塗りつぶす絵の具の部分。それぞれに与えられた意識、無意識という役割を考えると、佐藤が何を「リアル」と捉え作品をもって表現しようとしているかが見えてくるように思えます。
ここ最近、佐藤が、意識を手放していく部分についてもっと手放し、無意識を受け入れて自由になっていきたい、ということを言いだしました。
今回第一部で発表するコラージュ作品は、今まで通り鉛筆で人物の顔を描いており、ただこれまでと違うのは、その瞳を覆っているのが、佐藤が使用しているペーパーパレットを無作為にちぎった紙切れであるという点です。
無意識に使っているパレットに載った絵の具を見て、ふと、「これでいい」と思ったというところから本作品はスタートしており、佐藤が無意識というものについてより意識し始めた第一歩と言えるでしょう。
SCÈNE 山本 菜々子
overview
Part 1 : 2025.04.05(Sat)-05.03(Sat)
(Part 2 : 2025.06.21(Sat)-07.12(Sat))
※By invitation only
※Public Day以外はご招待制・ご予約制です。ご招待状をお届けした方のみご予約いただけます。
Open : 12:00 – 6:00p.m.
Closed : Sunday, Monday, National holidays
※We will be open on the final day, May 3.
※最終日の5月3日(土)は開廊いたします。
Public day:Thursday, Saturday
※No reservation, invitation needed
※Public Dayの木・土曜日は、ご招待状・ご予約は必要ございません。どなたでもご予約なしでご来場いただけます。
Venue : Art Salon SCÈNEArtist : Naritaka Sato 佐藤誠高
Furniture (A to Z) : Charlotte Perriand, Jean Prouvé, Jean Royère, Oscar Niemeyer, Pierre Paulin (In collaboration with Objet dʼart, es quart)
ARTISTS INFORMATION
-
佐藤誠高
Artist
Japanese, b. 19801980年、愛知県生まれ。2008年、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。2007年、第8回SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)にてグランプリを受賞。2017年、Independent Tokyo 2017にてグランプリ受賞。主な個展に「DUAL」(2019/みんなのギャラリー、東京)、「RAW」(2021/Hiro Hiro Art Space、台北)、「Dancing on the Edge」(2021/SCÈNE、東京)、「Show Case」(2022/SCÈNE、東京)、「REVEAL」(2022/GR Gallery、ニューヨーク)など。
GALLERY INFORMATION
-
SCÈNE
Tokyo, Japan / est. 2016
Art Salon SCÈNEは、《Art for your SCÈNE》をコンセプトに、2016年10月13日に招待制アートサロンとして誕生しました。 アートがもともとお好きな方はもちろん、これまであまりアートに親しんでこなかった方の日常にもアートを届け、世の中に「アートのある風景」を増やしていきたいという想いから サロンに於いて 国内外の作家の展覧会、ファッション・インテリア・伝統工芸等、美しい存在とアートとのクロスポイントとなるような企画展を開催するほか、 ホテル・飲食店・オフィス・個人宅等のさまざまな空間、ワインラベル等の商材へのアートのご提案も行っています。
- URL
- https://scenetokyo.com/
- 住所
- 〒107-0062 東京都港区南青山3-15-6 Ripple Square D-B1
- 開館時間
- 12:00 — 18:00
- 休館日
- Sun・Mon・Holiday
- 入館料
- 無料
- 備考
- ※休館日や営業時間は、展覧会によって異なる場合がございます。ウェブサイトやインスタグラムにてご確認ください。※展覧会は原則、ご招待・ご予約制ですが、木・土曜日は一般公開日となり、どなたでもご招待・ご予約なしでお越しいただけます。
EXHIBITION
ARTISTS
VENUE
- URL
- https://scenetokyo.com/
- 住所
- 〒107-0062 東京都港区南青山3-15-6 Ripple Square D-B1
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- 12:00 — 18:00
- 休館日
- Sun・Mon・Holiday
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- 備考
- ※休館日や営業時間は、展覧会によって異なる場合がございます。ウェブサイトやインスタグラムにてご確認ください。※展覧会は原則、ご招待・ご予約制ですが、木・土曜日は一般公開日となり、どなたでもご招待・ご予約なしでお越しいただけます。