Otherwise Galleryより、都築まゆ美個展「Whose Memory? 記憶のふち」の開催をご案内申し上げます。

都築は、武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科 インテリアデザイン専攻を卒業後、装画やイラストレーション、立体造形など、幅広い分野で活躍しているアーティストです。リソグラフ作品で知られる都築ですが、本展では彼女が近年力を入れている油絵を中心に新作・近作を交えてご紹介いたします。
都築は、リソグラフの版制作に伴う制約や、大きなキャンバスに油絵の具で描くことへの憧れから、油彩に取り組み始めました。アクリル絵の具での制作を経て、より深い質感を追求するために油絵の具へとシフトし、層を重ねることで生まれる色の重なりや質感にリソグラフとの類似性も見出しながら、新たな表現を模索しています。
本展では、都築が日頃からテーマとしている「記憶」を軸に、記憶の持つ独自性と共通性を探ります。一見すると幸せな日常の風景のようでありながら、どこか儚く、不穏な雰囲気が非日常を感じさせる作品を通じて、鑑賞者は自身の記憶や感覚を確かめながら、心に触れるポイントを見つけることでしょう。