山ノ内陽介 個展「形而上的ビバリウム」

May 15, 2024 — Exhibition: Solo
SHARE

この度 CANDYBAR Gallery では、山ノ内陽介展「形而上的ビバリウム」を開催いたします。

山ノ内はこれまでに、古典絵画の人物を模写し、剥がし貼り付けることによって平面を 3 次元的にする「皮」シリーズや、ストロークの美しさを追求し描く「ポートレート」シリーズ、一筆描きの筆致によって絵画空間上に奥行きのある形態を描き出す「Mindfulness」シリーズなどを発表してきました。

本展覧会のタイトルである“形而上”とは主に、形を持たないもの、有形の世界の奥にある深遠なもの、などの意味があります。美術の歴史の中では、20 世紀初頭のイタリアにて「形而上絵画」という、瞑想的な風景やどこか辻褄の合わない奇妙な風景。など非日常的な世界を描く絵画様式が ジョルジョ・デ・キリコ(1888年-1978 年)によって提唱されました。
展覧会と同タイトルの新作「形而上的ビバリウム」では、二人の人物や宙を舞う魚、湖面と木々の広がる風景が描かれていますが、その世界が幻想であると指し示すように、画面を囲む紫色の色面が描かれています。
その画面の上部から吊るされた電灯は、幻想の世界と現実世界を繋ぐかのように見えます。また、描かれた人物や魚は一見するとどちらも同じ描写で描かれているように見えますが、一方は山ノ内の代名詞とも言える技法の「皮」シリーズの技法で制作されています。平面的に描かれたものと、絵具の表層で立体的に制作されたもの。その現実に気づいた瞬間にまるで現実と非現実の狭間に立つかのような錯覚に陥ります。

また近年では、山ノ内が選んで手にした人形や目の前に現れた鳥などを、画面の中央に配し対象物に対し忠実に描いた作品を描いています。山ノ内が見ることを通して描かれた画面には、儚くも慈しむ眼差しが溢れています。
山ノ内は、絵画の歴史に真伨に向き合いその上で自身の表現を模索し新たな絵画の可能性を追求しています。描くことは日常の世界と非日常の世界を往来する術であり、そのまだ見ぬ世界を山ノ内は絵画を通して私たちに表してくれます。

EXHIBITED ARTWORKS

EXHIBITION

山ノ内陽介 個展「形而上的ビバリウム」

Apr 26 — May 25, 2024

Presented by CANDYBAR Gallery Past

ARTISTS

VENUE

NOTES

※4/28(日)、29(祝月)はオープン
※5/7(火)、8(水)は休廊
※京阪本線「祇園四条」、「三条」駅徒歩 3 分

ORGANIZERS