Group Exhibition “BOLMETEUS ボルメテウス” Curated by CON_

May 29, 2024 — Exhibition: Group
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渋谷・SAI にて、世界より SNS 世代作家を集めた、イメージ(画像)と空間をテーマにしたグループ展「BOLMETEUS(ボルメテウス)」を日本橋馬喰町のギャラリー・CON_ のキュレーションにより開催。

この度 SAI(サイ)では、世界から SNS 由来の制作背景を持つアーティストらを集め、画像をはじめとする視覚的イメージと空間構成をテーマにしたグループ展「BOLMETEUS(ボルメテウス)」を、日本橋馬喰町のギャラリー・CON_(コン)によるキュレーションで 6 月 1 日(土)から 6 月 23 日(日)の期間開催いたします。 本展には、国内を代表する若手現代美術家・梅澤和木(うめざわかずき)をはじめ、ハイン絵画賞 (Hine Painting Prize) 受賞者のイギリス出身アーティスト・Ben Edmunds(ベン・エドマンズ)、BALENCIAGA(バレンシアガ)、Gentle Monster(ジェントル・モンスター)への作品提供も記憶に新しい池内 啓人(いけうちひろと)等、国内外より計 13 名のアーティストが参加します。

20 世紀末。第三次産業革命が起きてから私たちは、莫大な情報量とオンライン上にあるもうひとつの生活フィールドの獲得と引き換え、所々の “もの” の奥行きが滞り、それらは陰謀やインターネットミームなどとして新たな価値を植え付けられることが当たり前に存在する世界での生活を余儀なくされました。伝統とテクノロジー。活字と画像。現実と仮想など、至る所のシーンでパイオニアらが本来提示していた各々の基準バランスは崩れ、私たちはオンライン軸で情報が流動的に錯綜、越境する昨今を当たり前とした生活を送り、日々様々な手法より、常に新しい価値観や経験を目の当たりにし続けています。

中でも近代にかけて著しく文化成長を遂げ、視覚とその奥行きにユニーク性をもって発展し続けているSNS の可能性は、多くの存在の意味や役割をも塗り替え時代を進化させている傾向にあります。インスタグラムや X をはじめとした SNS アプリが誕生し確立する時代の中で、本展の参加アーティストらもまた、今を生きる私たちと同じ環境下で自身の潜在的思想を視覚化しアウトプットしています。同時代という括りの中、彼らは生活する土地や環境は異なっていても、デジタルメディア上で共有する何かに影響される側面は確実に存在していて、制作過程でその共通項は特有のオーラとしてのテクスチャーに進化します。

本展「BOLMETEUS」はそのオーラこそが、新たなアートの解釈だと考えます。まるで、インスタグラム投稿を模すかのようにアートピースを収集(キュレーション)&共有(コレクティブ)する会場。これは、現にスマホを片手に SNS をみながら物事に価値を見出す生活がある。つまり、目で見ることを重視した媒体が生活の中の選択で重要な役割を担っている、現代ならではの展示とも言えるでしょう。また、様々な思想とメディアで成る作品群で構成される空間は、まとめられる事により本来の各々の作品に存在していたテンションよりも至ってニュートラルに収まります。その結果、空間から浮き出る各作品に宿った質感と雰囲気は、ひとつの SNS アカウントのように、本展にのみ現れる新たな個性として垣間見えるでしょう。言うなれば、本展は作品単体で完成するのではなく空間を構築することにより完成する新しい作品への気づきを探る実験でもあるのです。

これまで、トランスナショナルなコミュニティを培ってきた CON_ と、多様な表現を空間をもって見出すSAI が示す、時代の順応とも反抗ともみれるオンラインベース思想&フィジカル表現から形成される本展は、アートに対する新たなコンテクストを紡ぎ、カオス化する「現代アート」を紐解くヒントになるかもしれません。展覧会という概念を問う、この貴重な機会にぜひ足をお運びください。

⚫ ステートメント

BOLMETEUS ボルメテウスは天界より人々に画像を与えた。人々は繁殖し画像文明を築き上げた。 いつしか画像は、みずから文明を駆逐し、自然そのものとなったー。
ーボルメテウス書紀 創世篇

インスタグラムのフィードに流れる画像を眺める。スライド、スライド、タップ、スライド……。われわれはこれを創造的な行為とは捉えていない。しかしその一方で、自動筆記のように無意識下で行われる取 捨選択のプロセスを通じて、無数の見えない根が張り巡らされ、無形の美的な生態系が形成され始めてい る。これをある者は制作のインスピレーションやオンライン・キュレーションの素材とし、ある者はマー ケティング戦略へと巧みに組み込み、またある者はコレクタブルなオブジェクトとして収集する。こうし た営みは、時間も空間も砕けた文脈なきフラットなガラス面上に広がる荒野の地下深く、未知なる極限環 境で行われ、異形の創造物を生成する。それらはフィードとストリートが、都市と自然が、二次元と三次 元が、虚構と現実が、際限なく絡み合い、複数の結節点としてある形を成す。
この環境を何と名づけるべきだろうか。ひとまずの名として「ボルメテウス」を与える。

⚫ 参加アーティスト

GILLOCHINDOX☆GILLOCHINDAE(ギロチンドックスギロチンディ)

1999 年東京生まれ。漫画、映画などのサブカルチャーに触れ育つ。都市と青年を題材にコンセプチュアルで物語的な表現を行なっている。現代美術の展覧会とライブを組み合わせて、7 年間にわたり物語が展開されていく長編プロジェクト「獸」を開催している。また、日本橋馬喰町にあるギャラリー「CON_」のキュレーションなども行う。

https://www.instagram.com/gillochindox/

横手 太紀(Taiki Yokote)

1998 年生まれ。神奈川県逗子市出身。
身の回りに存在する気に留められることの少ない物や、そのネガティブな性質に着目し、彫刻的にアプローチする。動きをもたせた彫刻やインスタレーション、映像、写真といった表現を用いて制作している。作品を通じて物のもつ「野性的な側面」を浮き上がらせ、そこに潜む見えない物語を予感させる。

https://www.instagram.com/ykttik/

梅沢 和木(Kazuki Umezawa)

1985 年埼玉県生まれ 。
2008 年武蔵野美術大学映像学科卒業、作家活動を開始。
インターネット上に散らばる画像を再構築し、圧倒的な情報量に対峙する感覚をカオス的な画面で表現する。
梅ラボ名義でもネットを中心に活動している。CASHI 所属。

https://www.instagram.com/umelabo/

Hanna Antonsson(ハンナ・アントンソン)

1991 年生まれ。スウェーデン・ヨーテボリを拠点に活動。動物の視点、象徴性、神話における存在、そして私たち人間の日常生活に興味を持ち、剥製を用いた彫刻や写真作品を中心に制作している。作品に登場する鳥はすべて、ロードキル(道路上で起きる野生動物の事故)や、自然の原因で命を落とした鳥が使用されている。

https://www.instagram.com/h.antonsson/

Hyunwoo Lee(イ・ヒョヌ)

1994 年生まれ。環境が従属するものに押し付ける冷酷さと非礼さを示している。時に環境、同じ対象物を無理やり絡め取り、拘束し、その存在様式を無力化する。「無題」シリーズは、環境が対象に及ぼす力の構造をコンセプトとし、その力に飲み込まれることで生まれる一つの形として、彫刻の形を現す。

https://www.instagram.com/pip_archive_/

Lucas Dupuy(ルーカス・デュプイ)

1992年生まれ。ロンドンを拠点に活動。少年期の失読症(ディスレクシア)の体験から、作家の個人的で新しい言語 ( 文字 ) としてのドローイングや、絵画・デザインの文体を組み合わせた抽象的な作品を制作している。平面作品だけでなくレリーフ状の半立体的な作品や、サイト・スペシフィックなインスタレーション作品も発表している。

https://www.instagram.com/lucas__dupuy/

布施 琳太郎(Rintaro Fuse)

1994 年生まれ。iPhone の発売以降の都市で可能な「新しい孤独」を、絵画や映像作品、ウェブサイトの制作、批評や詩などの執筆、展覧会企画などをアーティストや詩人、デザイナー、研究者、音楽家、批評家、匿名の人々などと共に実践している。

https://www.instagram.com/rintarofuse/

八木 幣二郎(Heijiro Yagi)

1999 年、東京都生まれ。グラフィックデザインを軸にデザインが本来持っていたはずのグラフィカルな要素を未来から発掘している。 ポスター、 ビジュアルなどのグラフィックデザインをはじめ、CD やブックデザインなども手がけている。

https://www.instagram.com/heijiroyagi/

Ben Edmunds(ベン・エドマンズ)

1994 年に英国のノリッチで生まれ。ロンドンに生活と活動の拠点を置く。2016 年にウィンブルドン・カレッジ・オブ・アートでファイン・アート・ペインティングの学士号を取得し、2018 年にロイヤル・カレッジ・オブ・アートでペインティングの修士号を取得。 ハイン絵画賞受賞。 タジャーナ・ピータースが主催する展覧会はじめ、数々の展覧会やアートフェアに出展。

https://www.instagram.com/bentedmunds/

池内 啓人(Hiroto Ikeuchi)

1990 年東京生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。卒業制作にあたり、最も身近な存在であったコンピューターの内部が秘密基地に見えるという着想からプラモデルを組み合わせたハイブリッド・ジオラマを制作する。

ArtKing(アートキング)

2000 年 愛知県生まれ。2019 年 武蔵野美術大学入学。既製品を用いた立体作品を中心に制作している。

https://www.instagram.com/_____artking/

Zhao Rundong(チョウ・ジュントウ)

1998 年生まれ。現在杭州と上海を拠点に置く。デジタル文化に育まれた新世代の存在状態に焦点を当て、3D 技術やゲーム技術を駆使して、ポストヒューマニズム、オカルト、グローバリゼーション、コントロール、ネオコロニアリズムといったテーマを探求し、それらをポストオリエンタリズムのロマンティックな視点で表現している。

https://www.instagram.com/rundongchao/

Jihyoung Han(ハン・ジヒョン)

1994 年生まれ、韓国・ソウルを拠点に活動中。ペインティング作品の創作を通して、アイデンティティを探求するアーティスト。性格や星座占いなど、科学的には実証できない事柄を意味する擬似科学や、非人間的なイメージ等に興味を持つ。

https://www.instagram.com/void_terrain/

EXHIBITION

Group Exhibition “BOLMETEUS ボルメテウス” Curated by CON_

Jun 1 — 23, 2024

Presented by SAI Past

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