KOSAKU KANECHIKA では、2022 年9 ⽉3 ⽇から10 ⽉8 ⽇まで、fumiko imano 展「going nowhere」を開催いたします。
fumiko imano は、LOEWE のパブリケーションにおける写真を2018 年以降8シーズンに渡って担当、また今年には⾃⾝の作品を使ってVANS のシューズをデザインするなど、ファッションとのコラボレーションでも活躍し⾼く評価されています。代表作は、35mm カメラで撮影したセルフポートレイトを切り貼りし、双⼦のモチーフに仕上げるフォトモンタージュのシリーズです。無邪気でノスタルジック、思わず微笑んでしまうようなユーモアあふれる家族写真⾵のイメージ。⼀⽅で、はさみで切ってつなぎあわせたラインが、それが虚構であるとはっきりと伝えています。デジタルの時代にあえて⼿作業でシンプルにつくられるフォトモンタージュは、プレイフルでありながら、アイデンティティについての冷静な洞察でもあり、新たな物語のための視覚⾔語でもあります。
その物語においては、背景も重要な構成要素です。ホームで撮られたものもありますが、パリ、シンガポール、ロサンゼルスなど、海外の様々な場所で撮影されたものも多く、双⼦の表情にも豊かなニュアンスを与えています。⼀つの場所にとどまらず、常に何かを探して旅を続ける。そのプロセスの記録でもあるimano の作品、そしてそこに映る双⼦に誘われて、鑑賞している側も旅に出ているような感覚を得ます。
KOSAKU KANECHIKA で3度⽬の個展となる本展は、imano が90 年代の終わり、ロンドンの学⽣時代に訪れて以来、いつかまた⾏きたいと思っていたアイスランドが舞台です。「コロナの流⾏中の2021 年に少し⾏きづまって、どこか“middle of nowhere”的な場所に⾃分の⾝を置きたくなり、突然⾏くことになったfumiko imanoの旅⾏⼿記のようなものである」。imano はそう語ります。22 年前に出会ったもの、初めて⾒に⾏く氷河、アイスランドのアーティストの作品でいっぱいのホテルなど、双⼦はあちこちを訪れます。
imanoはこの旅について以下のように綴ります。
いろいろなことが
going nowhere(どうにもならない) と感じた時
middle of nowhere(何にもない場所的な)に突然行きたくなって
90年代の終わりに行ったあの変な何もない国にまた行きたいと思った
普通の植物も育たない荒々しい自然と
近代のテクノロジーが混ざる地の果て
アイスランド
学生の時の旅の
一番安いホットドッグとブルーラグーンの思い出とともに
約22年ぶりに行ったその国は
ツーリズムが発達してて
混沌としてた
だけど
相変わらず何もない不思議な場所で
やはり魔女も妖精もいるかもしれないと思わされ
自分もそうなのかもしれないと悟った
going nowhere
going now here
going now where
どうにもならないときもある
どんな状況でも
今ここにいて
今どこかにいる
冷たい雨と強風に打たれながら歩き続けて
修行だと思った瞬間もあった
たぶん
どこに行っても結局自分はコンピューターのラップトップのように
(携帯とかね)
移動してるだけで何も変わらないのかもしれない
クラッシュしたり古くなって使えなくなったりすることもあるだろうけど
生き物だから買い換えることはできないし
孤独は変わらない
けど
楽しむことはできるようになった気がする
本展は、これまでで初めて全て新作(約35点)で構成されます。この機会に是非ご高覧下さい。
EXHIBITED ARTWORKS
EXHIBITION
going nowhere
Sep 3 — Oct 8, 2022
ARTISTS
VENUE
- URL
- https://kosakukanechika.com/
- 住所
- 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
- Tel
- 03-6712-3346
- 開館時間
- 11:00 — 18:00
- 休館日
- Sun・Mon・Holiday
- 入館料
- 無料