内野琳央

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BIO

ARTIST PROFILE

2000 東京都生まれ
2024 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
2026 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程 油画第 6 研究室 卒業

= Artist Statement =
「空に絵を掛ける」という行為は、距離と高さをめぐる二つの絵画的伝統の、ちょうど外側に置かれている。
それは描くというより、支持体を失った像を、視線と重力のあいだに、一時的に預けることに近い。

距離が高さとして表現される規範のある⻄洋絵画では、画面奥へ退く馬は、キャンバスの上では単に数センチ上へと配置される。
遠くにあるものほど画面の上へと押し上げられ、奥行きが垂直方向へと持ち上げられることで、空は距離を変換する装置として機能してきた。
そこでは視線は前方から奥へと貫かれ、空間は測られ、整理され、把握されていく。
他方で、東洋絵画の中には、散点透視や俯瞰視点で画面を割るような奥行きを見ることができる。
例えば、雲を描き込むことで山は浮かび上がり、手前と奥は「持ち上がる」よりも「ずれ重なる」関係になる。
ここでは距離は高さに翻訳されるのではなく、むしろ高さは距離を畳み込む襖のように折りたたまれる。
「空に絵を掛ける」という行為は、これらいずれの空間処理にも、回収されない。それは空を、距離を変換する装置としても、層を畳む場としても用いず、像を、身体と視線のあいだに、宙づりのまま留め置く試みである。
ここで空は、もはや描かれる対象ではない。
編み、組み直された絵は、壁面に固定されることなく、空間の中で成立する位置を与えられている。絵具は張力と密度の差を生み、像は自立も接地もしない。
像は重さや密度として知覚されながらも、上下や前後、支持といった空間の座標には収まらない。
揺らいでいるのは像ではなく、それを配置する部屋の側である。

この状態は、絵が成立するための条件として、静かに立ち上がる。
高さとは測定可能な量ではなく、像が掛けられるために生じる間隔であり、距離とは奥行きではなく、身体と像のあいだに張られる見えない緊張である。
その状態そのものが、「空に掛ける」という行為の、最小単位のかたちであるのではないか。

【グループ展】
2022 「恐⻯と箱と⻩とシート」(Gallery Dalston、東京)
2024 「from the ROOM」(MJK Gallery、東京)
2024 「藝大アーツイン丸の内 2024」(丸ビル、東京)
2025 「ピテカントロプス - Project by The 6th Laboratory Oil-Painting Department of Tokyo University of the Arts -」
(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、東京)
2025 「かぎろひ」(東京藝術大学美術学部 絵画棟 1 階 油画ギャラリー、東京)

<OTHER>
2024 三菱地所賞 受賞

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