BIO
朝長弘人は、眼前のものがふと違って見える瞬間を捉え、それを絵画に起こそうとしています。前景と背景を交互に行き来したり、あるものを別のものとして解釈する際の視覚内の細かな移り変わり。これらは絵の具を重ね、拭い、跡を残していくという動作の繰り返しにも反映されています。作家の眼の中で起こる変化は、このように徐々に絵画における絵具の質へと変換され、画面に固定されます。自身に近しい対象を扱う朝長にとって、こうした運動は物理的、感情的な距離感を考察する場でもあります。描かれた絵画は固定されつつも再び動く予感を含んでおり、それは眼前の世界に対し作家自身が抱く寄る辺なさのあらわれでもあります。
1997年佐賀県生まれ。2020年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻卒業、2022年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。現在は東京を拠点に制作しています。主な個展に「乱反射」(武蔵野美術大学、2023)、「つり合い」(gallery美の舎、2022)、「明滅する地点」(GALLERY WATER、2021)、主なグループ展に「FACE2022」(SOMPO美術館、2022)、「CHANGTING GALLERY PRIZE 2022」(長亭gallery、2022)があります。2022年にはFACE2022入選、アートアワードトーキョー丸の内審査員賞を受賞しました。KOSAKU KANECHIKAでは昨年に続き2回目の個展になります。
<SOLO EXHIBITION>
2024
「望遠」KOSAKU KANECHIKA、東京
2023
「乱反射」武蔵野美術大学、東京
「変光景」KOSAKU KANECHIKA、東京
2022
「つり合い」gallery美の舎、東京
2021
「明滅する地点」GALLERY WATER、東京
<GROUP EXHIBITION>
2023
「絵の律」biscuit gallery karuizawa、長野
2022
「ぎこちない実感」YOD TOKYO、東京
「うつつの暇」gallery TOWED、東京
「CHANGTING GALLERY PRIZE 2022」長亭gallery、東京
「FACE2022」SOMPO美術館、東京
「武蔵野美術大学 卒業・修了制作展2021」武蔵野美術大学、東京
「Expression」長亭gallery、東京
2020
「YOUNG ARTIST EXHIBITION 2020」EUKARYOTE、東京
「gallery TOWEDドローイング展」gallery TOWED、東京
「武蔵野美術大学 卒業・修了制作展2019」武蔵野美術大学、東京