KOTARO NUKAGA(六本木)では、2024年4月13日(土)から5月25日(土)まで、4カ国5組のアーティストによるグループ展を開催します。
本展では、ステファニー・ハイエ、川井雄仁、ハイディ・ラウ、レベッカ・マンソン、多和田有希+福本双紅という4カ国5組のアーティストが、「セラミック(陶磁器)」を用いて表現領域を探求し、その境界線と可能性を拡張します。
本展のポイント
・「陶芸」の器という実用的な用途があることが背景となり、古くから「芸術」と「工芸」の狭間の独自の立ち位置をとってきた側面に注目。
・「焼成」を経ることによって、アーティストの「作為」の熱を冷まし、「コントロールのできないもの」「無為」といった”世界との美しい再会”を目の当たりに出来る展覧会。
・展覧会タイトル「When I Kiss You, I Can Taste Your Soul」には、キスが単なる身体的接触ではなく、相手の魂、相手そのものを知ることとなるように、本展にて”アーティストの示す「セラミック」作品との出会いが、芸術の本質、芸術の魂の姿を知ることになる”との願いが込められている。
ステファニー・ハイエ(Stephanie Temma Hier)
カナダのアーティスト、ステファニー・ハイエの作品は機知に富みます。ハイエは「食べる」という人の根源的な行為をテーマとし、超現実的で、時に不穏なタブローを形成します。そこでは、写実的な絵画とそれを取り囲むフレームの役割を果たす陶芸という二つの要素には、同等の意味の重みが与えられています。
川井雄仁(Kazuhito Kawai)
有機的で艶かしくもグロテスクな形状の器を作り出す川井雄仁の作品はさまざまな色、形、あるいは極小の粒が何層にも重なり合い、結びついたものであり、それは人を根源的に捉える未分化な魅力であるエロスを漂わせ、非言語的な世界での対話へとわたしたちを誘います。
ハイディ・ラウ(Heidi Lau)
マカオ生まれのハイディ・ラウは母親の死をきっかけに、中国の漢や秦の時代の埋葬品について研究し、それらの探究を自身の芸術活動に統合させています。彼女の作品は、個人の歴史、ポルトガルの植民地時代の文化、さらには精神世界という別々の世界を接続するタッチポイントとなるようなオブジェとして表現され、鑑賞者をその構造物に迷い込むように促します。
レベッカ・マンソン(Rebecca Manson)
ニューヨークを拠点とするレベッカ・マンソンの細心の注意を払って構築された彫刻作品は素材が持つ耐久温度よりかなり高い温度での焼成、執拗な焼成の繰り返しなど、伝統と慣習によって作られてきたこのメディウムの繊細なルールに対し、高度な知識と技術を背景とした無頓着さと裏切りによって形作られています。
多和田有希+福本双紅(Yuki Tawada and Fuku Fukumoto)
滑らかな白い肌理と、焼成時の釉着を積極的に取り入れた作品で知られる福本双紅は、近年、現代写真のアーティストの多和田有希と共に活動し、陶芸と写真というメディアの境界を超え、それぞれのメディアの常識を揺さぶり合いながらコラボレーションを実現し、複雑な視覚言語と立体表現を実現しています。
展覧会タイトルについて
多様かつ複雑でありながら、豊かで暖かみのあるこれらの「セラミック」表現を通して、本展のタイトル「When I Kiss You, I Can Taste Your Soul」は、「陶芸」というひとつの芸術形式の枠を超え、芸術全体との関係を表したメッセージとなります。
アーティストたちは、土に触れて造形をし(=When I Kiss You)、「焼成」という段階を経て完成する「陶芸」における「作為」と「無為」の関係に着目し、芸術とは何であるのかという本質的な問いに答えます。(=I Can Taste Your Soul)
キスが単なる身体的接触ではなく、相手の魂、相手そのものを知ることとなるように、本展にてアーティストの示す「セラミック」作品との出会いは、芸術の本質、芸術の魂の姿を知ることになるかもしれません。ぜひ、ご高覧ください。
EXHIBITION
VENUE
- URL
- https://kotaronukaga.com/
- 住所
- 東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
- Tel
- 03-6721-1180
- 開館時間
- 11:00 — 18:00
- 休館日
- Sun・Mon・Holiday
- 入館料
- 無料