FUMA Contemporary Tokyo|文京アートは、稲田侑峰・木彫展「君の手を僕に預けて」を開催いたします。
稲田侑峰(1986年、兵庫県生まれ)は、2007年に東京藝術大学美術学部彫刻科に入学、2015年に同大学 大学院美術研究科博士後期課程彫刻領域を修了しました。現在、彫刻家として独自の作風で国内外から注目を集めています。
学生時代から一貫して人物をモチーフとした作品を制作しており、その人物像は、パーカーやスウェット、布団、枕といったプライベートな空間で用いられる身近なアイテムに包まれています。この表現により、国籍や性別、年齢といった属性を超え、個人的でありながら普遍的な世界観を生み出しています。
さらに、稲田の作品においては無彩色の彫刻が特徴であり、彫りの強弱による陰影のみで形を描き出しています。布の柔らかな流れやシワにはバロック期の彫刻の影響が見られる一方、均整の取れた人体表現にはルネサンス彫刻の影響が感じられます。これらを石ではなく、ぬくもりと儚さを感じさせる木を用いて表現することで、独自の質感と存在感を持つ作品を生み出しています。
今展では、新作彫刻とその設計図であるドローイング、また木彫を原型にした作品群を展示いたします。
Artist Statement
Fuma Contemporary Tokyoでの初個展を、「君の手を僕に預けて」と題しました。
私は学生時代から一貫して人物をモチーフとした作品を制作しています。それは、ひとえに「人間の存在への興味」から始まったものです。身近な存在である自分の内面を起点とした作品を経て、近年では「自己と他者の距離」や「社会の中での人の変化」へと興味が移りつつあります。
個展名と同タイトルの出品作《君の手を僕に預けて》では、羽毛布団を抱きしめる人物像を表現しました。この羽毛布団は、私が「美しい」と感じるフォルムではありません。形が唐突に切り替わったり、量のバランスが不安定であったりと、従来の作品では取り入れることのなかった立体としてのアンバランスさをあえて採用しました。このような不確かさを抱きしめる人物像が、作品構成の要となっています。
私は、自分が培ってきた彫刻感や物の見方とは異なる土台を起点に、いつもとは違う過程を経験することで、これまでとは異なる何かを見つけたいと考えました。新たな道筋を見出すべく制作に取り組みました。その新たな道筋が何なのか、まだ明確には言語化できておらず、提示できるような答えも出ていません。ただ、「君の手を僕に預けて」というタイトルに込めた思いを、作品を通じて感じ取っていただければ幸いです。
EXHIBITED ARTWORKS
EXHIBITION
ARTISTS
VENUE
- URL
- http://bunkyo-art.co.jp/index.html
- 住所
- 東京都中央区入船1-3-9長﨑ビル9F
- Tel
- 03-6280-3717
- 開館時間
- 12:00 — 19:00
- 休館日
- Sun・Mon・Holiday
- 入館料
- 無料
NOTES
*作家在廊日 1/10 Fri., 1/25 Sat. 12:00-19:00
*作家の在廊日時は予告なく変更になる可能性がございます。予めご了承ください。