Early Years

Mar 6 — 28, 2026

Presented by MEGUMI OGITA GALLERY 近日開催
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Early Years

山田正亮
山口長男
中村ケンゴ
土屋仁応

物故作家から現代作家まで、戦後美術をけん引してきた個性的な作家たちのグループ展を開催。先人の影響を受けながら独自の表現を模索する中に、飽くなき探究心や素朴な魅力を感じさせる初期作品を展示します。

この度メグミオギタギャラリーでは、グループ展 “Early Years” を開催いたします。本展では、物故作家の初期、あるいは戦後美術史の中で独自の表現を確立し始めた頃の作品と、現存作家の初期作品を合わせて取り上げることで、洗練された様式美に到達する以前の作品に共通する、飽くなき探究心や素朴な魅力に着目します。絵画の解体が進み、具象的な形態を失う直前の山田正亮による静物画、茶色や黄土色と黒を組み合わせた抽象表現と並行し、赤い輪郭線のある自然を生涯描いた山口長男の初期の風景画、マンガの吹き出しで画面を構成する中村ケンゴの絵画シリーズ「スピーチ・バルーン」より、吹き出しの輪郭にも手描きの風合いを残した日本画、学生時代から動物彫刻を制作している土屋仁応による、現在の穏やかさとは異なる野生的な雰囲気をまとった木彫などを展示します。時代を超えた作家たちの創造の萌芽をご覧ください。

山田正亮(1929-2010)は東京都に生まれました。東京府立工業高等専門学校を卒業後、独学で画業を始め、生涯を通して約5,000点に及ぶ作品を制作しました。1949年、東京都美術館にて開催された第1回日本アンデパンダン展へ出品、1950年から自由美術家協会展に参加し、2005年には府中市美術館で個展を開催しました。また、1994年にはグッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館に出品するなど、国際的な評価を受けています。没後は東京国立近代美術館および京都国立近代美術館にて本格的な回顧展(2016-2017)が行われ、再注目されています。物語性を排除し、近代絵画の道を開いたポール・セザンヌに私淑した山田は、伝統的な決まり事や時代の潮流から距離を置き、自己の作品世界に反復的な秩序をもたらすことだけを志向しました。“Still Life” シリーズでは、戦争や病の記憶から、空虚を内包する容器と充足を表す果物を描いています。次第に形状は抽象化し、幾何学模様で色彩を均等に構成する “Work” シリーズ、単色でキャンバスを塗り重ねた “Color” シリーズへと展開しました。

山口長男(1902-1983)は現在の韓国ソウル市に生まれ、1921年に上京、翌年東京美術学校西洋画科に入学しました。1927年同校卒業後、帰国中の洋画家・佐伯祐三に出会い、彼を追って渡仏、そこで彫刻家オシップ・ザッキンなどを知ることになります。1931年に帰国後二科展に初出品、戦後は二科会の会員として1962年まで出品を続けました。その間、1954年には日本アブストラクト・アート・クラブの会員として第18回アメリカ抽象美術展に参加しました。またヴェネツィア・ビエンナーレ展(1956)、グッゲンハイム国際美術展(1958)など数多くの国際展にも出品し、日本の抽象絵画の先駆的な作家となりました。多くの洋画家が西洋美術の模倣に留まる当時の日本において、山口は外形の写実性よりも、対象の実体や骨格を捉える有機性を重視し、土着的な自身の原風景を追求しました。その作品は温かみや郷愁を感じさせる、唯一無二の抽象表現として高い評価を得ています。

中村ケンゴは1969年大阪府に生まれ、多摩美術大学・大学院にて日本画を学び、Eメールで使われる顔文字、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフを用いたユニークな絵画を制作してきました。海外での評価の高まりに連れ、2021年にAKIギャラリーにて台湾初個展、また同年には台北の関渡美術館にて開催された「模造風景」展にも出品しました。1990年代にポップカルチャーと伝統技法絵画の接続を試みた中村は、近年では東アジアを含めた日本の文化と近代絵画との関係に関心が移ってきており、「ひらがな ぺいんてぃんぐ」シリーズをはじめ、「心文一致」シリーズの「自我曼荼羅」、「○△□」、「モダン・ラヴァーズ」「JAPANS」シリーズなどが、新たな取り組みとして制作されています。

土屋仁応は1977年に生まれ、東京藝術大学で彫刻を専攻、2007年同大学大学院にて保存修復彫刻の博士課程を修了しました。土屋は、大学院にて古い彫刻に数多く触れた経験を基に、伝統的な技法と革新的な表現を用いて挑戦を続けてきました。これまでに台湾・香港・オランダ・ドイツで個展を開催、また2025年には富山県美術館にて個展「土屋仁応ー静けさの向こうに」が開催されるなど、国内外でますます人気と評価が高まっています。土屋は、生き物の姿を借りて想念を具現化した、象徴的な彫刻で知られています。木彫の表面から内側の淡い色彩が微かに現れる、独自の彩色方法を確立、また頭の内側から水晶やガラスなどの玉眼を入れる、仏像と同様の制作方法を用いて、神秘的な表情を持った作品を生み出します。

EXHIBITED ARTWORKS

ARTISTS

  • 山田正亮, 山口長男, 中村ケンゴ, 土屋仁応

VENUE

NOTES

3月20日(金) 休廊

ORGANIZERS

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