Tide Pool
May 1 — Jun 6, 2026
Otherwise Galleryでは、内田涼による個展「Tide pool」を開催いたします。2024年に当ギャラリーで開催した個展以降、内田は制作の中で起こる偶然や変化をより積極的に受け入れながら、新たな展開を探ってきました。
近作では、これまで以上に筆致が前面に現れ、記号的なかたちの描き方にも幅が生まれています。以前は、画面上の色や形が特定の何かに見えてしまうことや、大きな意味に絡め取られてしまうことに対する葛藤が強くありましたが、現在はそうした比喩的な機能によってもたらされるイメージや感覚と協働する姿勢へと変化しています。
本展のタイトル「Tide pool(潮だまり)」は、波によって岩のくぼみに水が残されることで生まれる小さな生態系を指します。そこには、何が存在しているのかはっきりとは分からないまま、確かに何かが息づいているという感覚があります。内田にとってこの現象は、幼少期の記憶とも重なりながら、制作の手がかりとなっています。
異なる要素が偶然に出会い、関係を持ちはじめるとき、画面には予期しないイメージが立ち現れます。本展では、そうした変化の過程そのものが静かに立ち上がります。内田の現在地を示す新作群を、ぜひご覧ください。
個展「Tide pool 」に寄せて
雨上がりに水たまりを見かけると、中で何かが泳いでいるような気がしてじっと見つめてしまう。そのたびに幼い頃海岸で遊んだ記憶が蘇る。
満潮時に押し寄せた海水が引いた時、海沿いの岩場の窪みには潮だまり(tide pool)が形成される。覗くと、取り残された生物たちが蠢いている。海から切り離された小さな空間で、偶然居合わせたもの同士が互いに距離を測って生息している。それは美しい海の縮図に見える一方で、どこかチグハグな、まがい物のようでもあった。
真っ白のキャンバスにたっぷりの水と絵具を流し込むとき、私は繰り返す波であり、岩の窪みであり、蠢く生物であり、嬉々として見つめる観察者であり、どこまでも続く海である。その変容は、あらかじめ想定された何かを描き出すためではなく、不意をついた表出や、思わぬ出会いのために行われる。何度でも再演され、地と図が海と陸のように入れ替わる時を待っている。
ー内田 涼
ARTISTS
VENUE
- 住所
- 東京都港区南青山5丁目7−17 小原流会館 B1F
- Tel
- 03-3797-1507
- 開館時間
- 12:00 — 19:00
- 休館日
- Sun・Mon・Tue
- 入館料
- 無料
NOTES
会期初日は17:00オープンとなります。