カール・アンドレ、マルセル・ブロータース、マリア・アイヒホルン、ライアン・ガンダー、リアム・ギリック、ピエール・ユイグ、河原温、ローレンス・ウィナー「Instructions and Suggestions」

Jan 18 — Feb 15, 2025

Presented by TARO NASU 開催中
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2025年最初の展覧会となる今回、TARO NASUでは、「Instructions and Suggestions」と題するグループ展を開催いたします。

現代美術においては、物質的な存在としての作品がなくとも、その作品についての言説だけで作品としての存在を認められることがあります。コンセプチュアルアートと分類されるこの種の美術作品は、作家が記した「なにをもって作品の構成要素とするか、そして完成した作品をいかに展示するか」についての指示書が作品の核となり、コレクターは作家によるそれらの指示を遂行するための「権利」を作品として購入するのです。その背景には作品の意図や内包される思考が、作品に関わる技術的、物質的要素と等価である、あるいはそれよりも重要であるとみなすコンセプチュアリズムの思想が存在しています。現代美術の本質をなすともいえる、この思想はマルセル・デュシャンの「泉」以来、多彩な展開を遂げながら見るものの思考を揺さぶる作品を生み出してきました。

「Instructions and Suggestions」ではマルセル・ブロータース、ローレンス・ウィナー、河原温、ピエール・ユイグ、マリア・アイヒホルン、リアム・ギリック、ライアン・ガンダーの作品指示書を作品とあわせて展示します。ウィナーの有名な「The Declaration of Intent」や、河原の「Today(日付絵画)」シリーズを幼稚園の教室に展示する「Pure Consciousness」プロジェクト、蜘蛛と人間との共同作業を指示するユイグ、コンセプトのなかにイギリス人らしいユーモアをひそませるギリックなど、いずれもアートの領域を拡大し、知覚の解放を促す実験的な作品が並びます。想像から創造は生まれ、創造はそれを見たものの想像力を活性化させます。作品指示書はそのための思考のスイッチなのです。それは、モノとしていかに作品を構築するかについてのアーティストからの指示であるだけでなく、作品やその生成過程をどのように思考し、理解するかについてのアーティストからの直接的な問いかけなのです。指示であり同時に示唆でもある作品指示書を眺めながら、これから制作される作品についてアーティストと対話するかのような、そんな刺激的な疑似体験を本展を通して味わっていただきたいと思います。

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