キャッチ&テイク

Aug 15 — Sep 20, 2025

Presented by Otherwise Gallery 近日開催
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Otherwise Galleryでは、江頭誠による個展「キャッチアンドテイク」を開催いたします。本展は、江頭が参加するBIWAKOビエンナーレ2025のプレエキシビジョンとして、同ビエンナーレの協力のもと開催されます。

本展では、花柄の毛布や家庭用品など、懐かしさと滑稽さの入り混じる素材を用いながら、日常と記憶の境界を撹乱するユニークな作品を制作する江頭による新作インスタレーションを展開いたします。

ギャラリー空間には、どこか懐かしくも奇妙な気配をまとった毛布の生きものたちが現れます。吊るされたり、静かに釣り糸を垂らしていたり、ときにはこちらの気配に応えるかのように動き出したり—。空間全体に物語の断片がちりばめられ、江頭の記憶と想像が交錯する不思議な風景として出現します。

本展のタイトル「キャッチアンドテイク」は、かつての釣り文化における「キャッチアンドリリース」からの引用でありつつ、現代社会における“モノ”や“記憶”、“他者”との関わり方の変化を映し出します。ユーモラスで愛らしい佇まいの中に、過去と現在、受容と排除、個人と社会といったレイヤーが織り込まれた、江頭ならではの複雑な問いかけが潜んでいます。

一見ファンタジックで可笑しみに満ちたこの空間で、移ろいゆく価値観や、忘れられたものたちへのまなざしをお持ち帰りください。

Artist Statement
この作品は、今年開催されるBIWAKOビエンナーレ2025のプレエキシビジョンとして、私自身の記憶と琵琶湖との接点から始まります。
小学生の頃、父と父の会社の後輩の方と三人で琵琶湖へバス釣りに出かけた、あの賑やかな時間が制作の出発点となっています。
そこには、二つの異なる存在の物語が重なります。一つは、かつて日本の多くの家庭で親しまれ、流行した花柄の毛布です。日常に溶け込み、重宝されていた毛布も、今ではその姿を見る機会が減り、箪笥の奥にしまわれたり、リサイクルショップに並ぶこともあります。そしてもう一つは、琵琶湖のブラックバスです。遠い海を渡り日本にやってきた彼らは、釣りブームの中で純粋な生き物として以上に、スポーツの対象や釣果のサイズで評価される存在となりました。
しかし、その数が増えるにつれて、管理の対象となり、今では捕獲後、回収されるという状況にあります。
「キャッチ&テイク」というタイトルは、バス釣りでかつて親しまれた「キャッチ&リリース」という言葉から着想を得ています。しかし、現在ブラックバスはリリースされず回収されるのが一般的な対応です。この展覧会では、かつて受け入れられながらも、今はその存在のあり方が変化したものを、鑑賞者が「キャッチ」し、「テイクアウト」できる形で提示します。
これは、時の流れとともに移ろう様々な事象のあり方について、そっと思いを巡らせるきっかけとなることを願う、一つの試みです。

ARTISTS

  • 江頭 誠

VENUE

NOTES

共催:国際芸術祭BIWAKOビエンナーレ実行委員会、文化庁/独立行政法人日本芸術文化振興会

ORGANIZERS