ダニエル・ビュレン − 回顧 −《Broken Glass》#43 +《Broken Glass》#44 (1982年作)

Mar 1 — Apr 26, 2025

Presented by GALLERY KTO 開催中
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この度GALLERY KTOでは、大谷芳久氏の協力のもと世界的なコンセプチュアルアーティストのダニエル・ビュレンの展覧会を開催します。
ダニエル・ビュレンは1938年にフランスで生まれ、その後パリの国立高等工芸学校を卒業。60年代に活動を本格化し、65年からは自らが「視覚の道具」と呼ぶ8.7cm幅のストライプを作品に採用し、さらに1986年にはベネチア・ビエンナーレでフランス代表として参加をして「金獅子賞」を受賞しました。
今展覧会では、1982年にかんらん舎(東京)での日本初個展の際に発表された《Broken Glass》#43 と《Broken Glass》#44 の作品が時代を超えて再びインストールされます。本作品は空間との関係における色と素材を主軸に、ビュランの代表的ともいえるストライプが割れたガラスに描かれ、周囲の空間だけでなく反射した風景や光が作品に取り込まれています。ビュレンが完全な中立性を達成しようとした初期の芸術的意図を考えさせる黒のストライプの作品も展示されます。
ダニエル・ビュレンは日本に何度も訪れ、数多くの作品を制作しました。現在も展覧会での発表やパブリックアートを残し、今もなお多くの人々を魅了してやまない作家です。この展覧会を通して、常に芸術的実践を更新し知覚の問題を拡張し挑戦し続け、日本初個展から43年の月日が経っても変わらぬ芸術の姿を見せるアーティストの作品を深く考える機会となります。ぜひご覧ください。

*特別ナイトビューイング*
3月7日(Fri)+ 8日(Sat)はアートフェア東京 2025(Booth No.L014)の出展に併せて、20:30 ~ 22:00に時間を変更し特別夜間開廊をします。
(※13:00~19:00は閉廊)


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ダニエル・ビュレンの日本での初個展はガラスを壁に釘でとめるという過酷なものであった。私もアシスタントも金槌を持つ手は震えビビりながら釘を打つ。一方ビュレンはハミングしながらトントンと釘を打っていく。作品のタイトルは《Broken Glass》(壊れたガラス)だが、割っていいというものではない。ビュレンは「ガラスが割れるのは当然だ。割れれば作り直せばいい。大事なのはコンセプトだ。私の作品は壊れない」と励ましにも慰めにもならないことをいう。なんとか割らずに展示を終えた時、会場は煌めく万華鏡と化した。43年前のことである。今、作品を見て思う。新は必ずしも真ではないが、真はいつでも新である。
2025年2月 大谷芳久

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ARTISTS

  • ダニエル・ビュレン

VENUE

NOTES

※03.07.金、03.08.土は20:30 ~ 22:00に変更。
※03.21.金、03.26.水、03.28.金、04.09.水、04.10.木、04.11.金は13:00 ~ 18:00に変更。

ORGANIZERS