Toru Yoshikawa "Phantom Pain"

Jun 24 — Jul 14, 2025

Presented by LOWW 開催中
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この度、LOWWでは吉川 徹の展覧会を開催します。アートとデザインの領域を横断しながら、吉川は常に美術的な更新を日々捉えようとしています。そこには、今日と歴史、アジアと西洋、個人と社会、未来と現在ということを二項対立的に見るだけではなく、複雑に絡み合う事象を表現しようとしているようにも思えます。また英国のクリエティブ集団TOMATO及びUNDERWORLDのアートプロジェクトなどにも積極的に関わりながらも、パーソナルな作品を全て新作として発表する今展覧会、ぜひご覧ください。

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とにかく今風ではない古臭い絵画的な作品を作りたかった。たとえば19世紀ロマン主義の画家たちのパレットのような、ウンブリアの土の色で筆跡も整えず、受け手への忖度や自分自身のエゴから生じるためらいの隙間をつくらないように、やり直しの効かない紙の上に表現したかった。浮かび上がる数多の先人たちの亡霊を払い避けながら逃げるように描き続けていると、徐々に自分の知らない絵が出来上がってきた。それは今の自分にできる最大限の抵抗にも思えた。

今回選択したモノタイプという手法は、プレートに描いたものを紙に写しとるというシンプルな手法で、作品は版画にもかかわらず、複数エディションを刷ることが出来ないユニーク作品という特長がある。その性質から「プレス機を通した絵画」とも、「版画家の絵画」などとも呼ばれる。

吉川 徹

1964年川崎市生まれ

米国ポートランド、P.N.C.A.絵画科卒(BFA)。帰国後グラフィックデザイナーとして活動。2000年より英国のクリエイティブ集団tomato/underworldのアートプロジェクト、ライブイベント、ワークショップ等に参画。以後、国内外クリエイティブのコーディネイト、ディレクション業務などに携わり、近年個人作家活動に注力している。

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