山本太郎 個展「Rimpa Reflection」

Jul 20 — Aug 9, 2024

Presented by imura art gallery 開催終了
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この度、イムラアートギャラリーでは、ニッポン画家・山本太郎による個展「Rimpa Reflection」を開催いたします。
山本太郎は、1999年より日本の古典絵画と現代風俗を融合させた「ニッポン画」を提唱し、伝統的でありながらも革新に満ちた作品を数多く手がけてきました。近年、山本は「ニッポン画」の新たな試みとして、浮世絵に着目し、それらの図様をポップアート風にアレンジした「NEO UKIYOE」に取り組んでいます。

本展では、この「NEO UKIYOE」に加え、今回初公開となる新シリーズ「Flowers Iris」をご紹介します。本シリーズは、琳派の大成者・尾形光琳の代表作である《燕子花図屏風》から着想を得て制作されました。金箔をふんだんに使用した絢爛たる画面に、リズミカルに配された群青と緑青の燕子花の群生という、日本人にとって非常に馴染み深いこの図柄に、山本は現代的な色彩・デザイン感覚を取り入れようとしたのでした。

こうしたアイデアに強く影響を与えたものとして、アンディ・ウォーホルの《Flowers》シリーズが挙げられます。この有名な花のイメージには、多くのカラー・ヴァリエーションが存在します。ウォーホルは、シルクスクリーン印刷を用いて、鮮烈な色彩で平面化・抽象化したイメージを繰り返し生み出したのでした。実のところ、光琳もモチーフの反復という技を駆使した絵師でした。《燕子花図屏風》において、光琳が型紙を用いて一部図柄を画面内で繰り返していたことが明らかになっています。

光琳とウォーホル、一見時代も国も全く異なるように思われるこの二人の芸術に、山本は共通性を見出しつつ、独自の感性でそれぞれの特徴を引き出し、より洗練された作品を展開します。伝統的な図像と現代の色彩感覚が見事に組み合わさった山本の新作を、是非会場でご高覧ください。

ー作家ステイトメント

琳派は時代ごとに繰り返され、また時代を超えて日本の美術や工芸に多大な影響を与えてきました。私も影響を受けた一人です。その琳派の影響が反射(Reflection)された新作シリーズでの個展を開催します。

私は近年、浮世絵をベースにポップアートのテイストを加えた「NEO UKIYOE」のシリーズを展開してきました。浮世絵は江戸時代のポップアートとも言われています。「NEO UKIYOE」はそれを現代的にアップデートさせました。

浮世絵を代表する絵師である葛飾北斎は画号を頻繁に変えたことでも有名ですが、実は勝川派を離脱した一時期に二世俵屋宗理を名乗っていたことがあります。そういう意味では北斎は実は琳派でもあったのです。

琳派と浮世絵は同じ日本美術と言っても画風が少し違っているのですが、それでも京都の町衆や江戸の町人といった支配層ではない普通の人々の間で人気があったという共通点があります。そうした北斎の画歴をオマージュする意味でも「NEO UKIYOE」のシリーズとそれを発展させた「RIMPA REFLECTION」のシリーズを同時に発表します。

「RIMPA REFLECTION」はアンディ・ウォーホルの「Flowers」のシリーズと尾形光琳の「燕子花図屏風」の両方からインスパイアされた「Flowers Iris」のシリーズが初お披露目となります。
ギャラリー内がお花畑になったようなポップで華やかな空間を目指しますのでぜひ楽しんでいただければと思います。

山本太郎

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