SHIN YAMANE exhibition【The orange that was blue.】 2026/9/12(Sat)〜9/27(Sun)
Sep 12 — 27, 2026
DIGINNER GALLERYでは初となる、写真家・アーティスト山根晋の個展「The orange that was blue」を開催します。写真に写るものだけでなく、その前後にある時間や記憶、見えない像に目を向けてきた山根。本展では、写真における色彩の反転と、時間や空間の重なりから生まれた二つの新作シリーズを発表します。山根が捉える「写真」の新たな可能性を、ぜひ会場でご覧ください。 – 写真は、目の前の現実を写し取るものだと考えられてきました。しかし、一枚の写真に残されているのは、果たしてシャッターが切られたその瞬間だけなのでしょうか。山根晋はこれまで、写真や映像を通して、像の内側と外側に存在する時間や記憶について考えてきました。写されたものだけではなく、その前後にあった時間、すでに消えてしまったもの、そして写真を見ることで鑑賞者の中に呼び起こされる記憶までを含めて、ひとつの「写真」として捉えようとします。 本展「The orange that was blue.」では、その思考から生まれた二つの新作シリーズ《O/b》と《Color Fold》を発表します。《O/b》は、写真におけるネガとポジの関係を、青とオレンジの反転によって捉え直すシリーズです。青かったものが、写真の中ではオレンジとして現れる。私たちがいま目にしている色の背後には、そこには見えていないもうひとつの色が存在しています。山根はこの反転した像をさらに色のレイヤーへと分解し、ピグメントプリントによる複数回の重ね刷りによって紙の上へ定着させます。一度の出力によって完成する通常の写真とは異なり、色彩は幾層にも堆積し、平面であるはずの写真に版画のような物質性が生まれます。ここで写真は、現実を忠実に再現するための窓ではありません。現実と写真像、ポジとネガ、こちら側とあちら側。その境界を行き来しながら、ひとつの現実から別の像を出現させる装置となります。一方、《Color Fold》は、2020 年、山根が台湾・台南の街を移動しながら長時間露光によって撮影した写真群から生まれました。街を覆うネオンや看板、建物、人の気配。カメラの前を光が通り過ぎると同時に撮影者自身も移動することで、異なる場所と異なる時間がひとつの画面へ流れ込みます。そこにあるのは、ある一瞬を固定した風景ではなく、いくつもの時間と場所が写真という一枚の平面へと「折り畳まれた」像です。撮影から数年を経て、山根はこれらの写真をあらためて見返しました。そして撮影当時には意識していなかった、街の猥雑な光景が平面の中で折り重なる構造を発見します。シャッターを切った瞬間にはまだ存在していなかった作品が、時間を隔てて写真と再会することで立ち現れたのです。 《O/b》では、色が反転する。 《Color Fold》では、時間と空間が折り畳まれる。 二つのシリーズに共通するのは、写真を「現実を保存するもの」としてではなく、現実が別の像へと変容する場所として捉える眼差しです。展覧会タイトル「The orange that was blue.」̶青だったオレンジ。その “was” が示すのは、色の反転だけではありません。 かつてそこにあった光。 通り過ぎた場所。 撮影された瞬間。 失われた時間。 そして、いま目の前に現れている像。 写真の中には、見えているものと同時に、すでに見ることのできないものが存在しています。DIGINNER GALLERY の空間に点在する「あちら」と「こちら」。その間を行き来するとき、一枚の写真は止められた過去ではなく、見る者の現在によって再び動き始めます。 ‘The orange that was blue.’ それは、青だったオレンジであり、いまここにある、かつての何かでもあります。 – Shin Yamane / 山根晋 個展 【The orange that was blue.】 期間 2026年9月12 日(土)~9 月27 日(日) 時間 11:00 – 19:00/最終日17:00 迄 会場 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-11-2 休廊 9/14(月),24(木) 問合せ contact@diginner.com
ARTISTS
山根晋
VENUE
- 住所
- 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘1-11-2
- Tel
- +81 3 6421 1517
- 開館時間
- 11:00 — 19:00
- 休館日
- Mon
- 備考
- 展示会によっては休廊日が異なる場合もございます。 詳しくはホームページをご覧ください。展示会最終日は撤収のため17:00迄になります。
NOTES
◆Profile/プロフィール
山根晋(Shin Yamane)は、1985年生まれの写真家・アーティスト。写真や映像といったメディウムの性質を独自に経験化しながら、場所や時間、記憶や身体感覚を起点とした作品を発表してきた。近年は写真を「現実と似て非なる複雑な構造体」として捉え、制作を通じてそのあり方を探究している。主な作品に、波打ち際の現象を捉えた《臨海/RINKAI》シリーズ、個人のもっとも古い記憶を音声によって採録するプロジェクト《深記憶録》などがある。
